脱ステロイドに苦しむのは、もちろん、日本いる人たちだけではありません。
脱ステは英語でRed Skin syndromeや、Topical Steroid Withdrawalと呼ばれます。
イギリスのメディア『The Sun』より、イギリス人ルイスさんの脱ステの壮絶告白をご紹介します。
元記事を読みたい方は、こちらからどうぞ。(英語です)https://www.thesun.co.uk/fabulous/8515501/eczema-lizard-addictive-steroids-killed-sex-life/
イギリス人ルイスさんによる壮絶な脱ステ体験報告
- ステロイドをやめたら肌がトカゲのような見た目になる
- ステロイドの中毒性に気づく
- どんどん悪化
- 仕事を辞め、ステロイドをやめる決意
- 自然療法を開始
- 現在のルイスさんの様子
ステロイドをやめたら肌がトカゲのような見た目になる
イギリスに住むルイスさん(28歳)は、アトピー治療のため、5歳からステロイド使用を開始。
その中毒性と、肌を悪化させてしまうことを懸念した彼女は、使用をストップしました。
使用をやめてからは、地獄のような苦しみが始まり、顔や身体中から浸出液が溢れ出し、恋人のブランドン(28歳)に、キスすることさえできなくなってしまいました。
『ステロイドをやめてから、まるでトカゲみたいな見た目になってしまい、性生活も送れなくなってしまった』とルイスさんは言います。
ステロイドの中毒性に気づく
(写真は脱ステロイド前のルイスさん)
『私はステロイドを愛用していました。
肌が真っ赤になり、悪化したときのライフラインでしたが、脱ステ後、体に起きた変化を体感すると、今はとても憎しみの気持ちでいっぱいです。』
ショックなことに、ルイスさんの副腎皮質ホルモン(ステロイド)の使用停止の覚悟は、疲労感、突然の体重軽減、熱、うつ、物忘れや、混乱など、彼女に大きな苦しみをもたらしました。
『顔中皮がむけ、まるでトカゲのような気分です。彼ともほぼ性生活をおくっていません。私たちにとって、それはとても精神的な悩みであり、苦痛になっています』
しかしながら、ステロイドの中毒性と、より肌を悪化させる事実に気づき、彼女は脱ステという勇気のある決断をしました。
『ステロイドはよく効くけど、とても中毒性があるわ。だけど、実際は症状を抑えているだけで、何も根本は解決していない。結局は、より強いレベルのステロイドが必要になっていくだけよ』と彼女は語ります。
『向き合うことはとても難しいことだった。私の人生全体に酷く影響を及ぼしてしまったわ。もし両親が、ステロイドの事実を知ったら、決して塗りなさいなんて言わなかったでしょうね。両親はとても罪悪感を感じているわ』
ルイスさんが5歳の時、アトピーと診断されてから、両親は少量のステロイドをルイスの肌に塗り始めたそうです。そして、それはすぐに症状を止めてくれました。
しかし、月日が経つにつれ、症状は頻繁に起きるようになり、使用量はどんどん増えていきます。
痒みに加え、思春期になったルイスは社会的不安感にも苦しむことになりました。
『症状がとても酷い時、ステロイドを大量に塗ったわ。魔法の薬だと思ってたの』
『学校では、肌を隠して、メイクで何もないように見せていたわ。同時に、ココナッツオイルやE45みたいな何か症状を和らげる他の方法もいつも模索していた。
でも、どれもステロイドの効果にはかなわない。』
どんどん悪化
ルイスさんのアトピーは悪化する一方であり、唇や、背中にもどんどん広がり、だんだん、ステロイドが肌を悪化させているんじゃないんだろうかと考えるようになりました。
『何かがおかしい。良くなるどころかどんどん悪くなってるの』
『いつも体のどこかが痛くて、赤く腫れていることが当たり前になってきていた。
そうこうしている内に、インスタグラムで私のような症状に苦しむ人たちのグループを発見したの。その時に脱ステという言葉を知ったわ』
『それからは、インターネットでたくさん調べたわ。わたしはステロイド中毒であり、脱ステの道のりは、とても過酷なものだと分かった』
仕事を辞め、ステロイドをやめる決意
ルイスさんは、仕事を休み、脱ステに立ち向かうことにしました。
恋人との新年の旅行の間、ステロイドを辞める決断をしました。
その間、顔全体や、胸などに酷い痒みがルイスを襲い、また酷い赤みとほてりが彼女に降りかかります。
旅行から帰ったあとすぐに医者に行くと、もしステロイドを使わないなら、入院することになるよと警告を受けました。
『とても最悪で、わたしはとても怯えていたわ。ステロイドをもう使いたくないのに、医者はステロイドを使えって言うの』
『家に帰ってステロイドを塗ったわ。でも、そのあと、インターネットで学んだことを思い出して、急いでシャワーで洗い流したの。そして、決めたの。もうステロイドは使わないって』
湿疹は背中や上唇にまでおよび、体全体を覆っています。
自然療法を開始
医者や皮膚科医は、ルイスにステロイドを使うよう促しましたが、ルイスは、『自然療法』の解決法を求めました。
その年からルイスさんは脱ステの症状を目の当たりにすることになります。
肌は腫れ、ひび割れや血が流れ、目を閉じることもできなくなってしまいました。
休職を余儀なくされ、恋人と引っ越しする計画も見送ることになります。
1月中旬、ステロイドを塗るよう促していた皮膚科医をもう一度訪れると、皮膚科医は、なんとか自然療法で治療をさせてほしいとルイスさんに告げました。
ルイスさんは同意し、光線療法を始めます。
『個人差はあるけれど脱ステから完全に回復するには5年かかると言われたわ。
両親の元へ戻って、治療をすることにしたの。恋人と暮らす予定だったけど、この状態じゃ諦めないといけなかった。
彼は分かってくれたけど、とても難しい決断だった。私たちは、キスや、体の接触することさえ出来なかった。』
『人生において最悪の時期よ。』現在も続く脱ステについて、ルイスは語ります。
『何で私がこんなに悩まないといけないの?!って何回も考えた。
けれども、オンラインのサポートメンバーや家族に感謝しているの。
きっと良くなるって確信してるわ。
もしあなたがアトピーで悩んでいるなら、専門家の助けなしに、いきなり治療を辞めたり、変えようとしないで。』
現在のルイスさんの様子
現在のルイスさんは、脱ステ約1年半ほどたち、渦中の肌とは比べ物にならないくらい回復されています。
彼女の最新の肌状況は、インスタを見ていただければ分かります。
私も、ルイスさんと全く同じ心境を味わいました。
脱ステしていると友達に話すと、わたしの苦しむ姿を見た友人は、そんなに苦しいならステロイド塗りなよ!って言うんですよね。
心配して言ってくれてるのは分かるんですけど、本人としてはもうこの症状が出る薬って分かってしまっているから二度と使いたくない。
しかし皮膚は浸出液と落屑でボロボロになっていく。
いっそ使って楽になってしまおうか、、
何回も揺れ戻しがありました。
脱ステは、本当に人生に大きな影響を与えます。
脱ステするのか、そのままステロイドを使い続けるのか、もちろん判断は自分次第です。
ですが、脱ステはきっと良くなります。
5年はかかるかもしれません。
だけど、必ず皮膚は回復していきます。
辛く厳しい道ですが、絶対に終わりはくると、私も信じています。
ルイスさんの勇気に拍手です。